立ち売りから有名になった「ういろう」

今では姿を消してしまいましたが、かつて新幹線の中では、沿線の特産品を車内販売していました。

東京名物「草加せんべい」、静岡名物「安倍川もち」、名古屋名物「ういろう」がその代表格でした。

「ういろう」は、うるち米からできる米粉を砂糖と練り合わせ、蒸して作られます。上品な甘さに、モチモチの食感をもっています。

名古屋の名産品となる起源は、尾張徳川家の第2代藩主の徳川光友の時代に遡ります。

光友に仕えた陳元贇がその製法を伝え、1659(万治2)年に創業した「餅文総本店」が、販売を始めたと伝わっています。
原料の風味を活かしながら手作りされた「献上外良」は、尾張藩主の絶賛を受けました。

1879(明治12)年には「青柳総本家」、1949(昭和24)年には「大須ういろう」が相次いで創業し、味わいのバラエティーが広がりました。

伝統的でシンプルなものの他に、こし餡を加えたものなどが登場するようになりました。

1931(昭和6)年に、「青柳総本家」の3代目の後藤為彦が、「青柳ういろう」の販売拡大を目指し、名古屋駅構内やプラットホームで立ち売りを始めました。

これが、新幹線での車内販売につながり、全国的な知名度を獲得し、名古屋を代表する土産物として定着しました。